筋トレやハードなトレーニングによる筋肉痛に悩まされたことのある方も多いのではないでしょうか。
筋肉痛を防げたり、筋肉痛からの回復を早められたらより快適にトレーニングに取り組めますね。
そこで今回は、疲れを残さずに効果的な筋トレをするための食事についてお伝えしていきます!
食事を少し工夫するだけで、筋トレ後の疲労感をぐっと軽減できますよ。
佐藤樹里(管理栄養士)
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管理栄養士。アスドリファクトリー代表。フィットネスジムでの運動・栄養指導経験後、約1年海外移住をし、現地のレストランでシェフと共に働く。現在はスポーツイベント開催、アスリートへの栄養講座、栄養個別サポートを通算1000人以上に行う。 |
目次
筋トレ後の食事はとても大切。
筋肉痛は、筋トレによる外部的な刺激によって一時的に筋肉の破壊を起こしている状態です。
そこから、筋肉を再生するためには、筋トレよって破壊された筋肉を、もう一度大きな筋肉へと繋ぎあわせる必要があります。
そのために、食事からの栄養が欠かせないのです。
筋肉の再生に最も効率よく栄養を吸収できるタイミングが筋トレ直後です。
筋トレ後の24時間は筋合成(破壊された筋肉の再結合)が最も活性化している状態であり、筋トレ後48時間まではその活性化した状態が続くと言われています。
なので、筋トレ直後に栄養を補給することが大切なのです。
筋トレ後の食事は、筋肉の材料となるタンパク質を摂取して頂きたいのですが、疲労回復を早めるには同時にビタミン B6を摂取することが重要です。
ビタミンB6は、にんにく、まぐろ、かつおなどに多く含まれると言われています。
<ビタミンB群と筋トレの関係をさらに詳しく知りたい方にはこちらの記事がおすすめ!>
また、私はプロテインか、BCAAを摂取することをお勧めします。
BCAAとは、人が体内で作ることができない必須アミノ酸「バリン」、「ロイシン」、「イソロイシン」の総称です
疲労からの回復を早めるためには、筋トレ後30分以内にプロテインもしくは BCAAを摂取するのがおすすめです。
<タンパク質を補給に有名なプロテイン。活用に一歩踏み出せない人はこちらの記事がおすすめ>
<サプリメントとして人気のBCAAとEAA!違いを知りたい方はこちらの記事がおすすめ>
これらの栄養を補充した後、1~2時間後に食事を取る場合、主食は白米ではなく、ビタミン、ミネラルを含む玄米ご飯がおすすめ。
おかずには高タンパク低脂質な食材、可能ならば魚からのタンパク質も摂取して欲しいです。
理由は魚の油に含まれる EPA DHAなどのオメガ3系脂肪酸を摂取すると疲労からの回復が早いから。
先ほどもお伝えしましたが、ビタミンB6が含まれている赤身の魚(カツオ、マグロの刺身など)を積極的にとりましょう。
普段のランチを食べる際も、揚げ物系の食事ではなく、海鮮丼、刺身定食など良質な油を摂取できる食事を心がけてみてください!
ビタミンB6とは別に、疲労回復の栄養素として挙げられるのがクエン酸です。
クエン酸は、柑橘系のものや梅干しなど、酸っぱいものに多く含まれています。
筋トレ後に疲労回復のためにクエン酸を飲む場合は、クエン酸とビタミンCをセットで摂取するとより効果的です。
なるべくフルーツから摂るようにするのがおすすめですが、コンビニでも手軽にレモン系の飲料などで簡単に摂取することができます。
成分表示で「クエン酸、ビタミンC」など書いてあるものを探してみましょう。
ビタミンCは水溶性ビタミンのため、体に蓄えることができず、余分にとったものは体から出てしまいます。
こまめに摂取する必要があるため、毎食摂取したほうが良いです。
ビタミンドリンクが手軽ですが、可能ならば添加物の入っていない果物から摂取するのが一番おすすめです。
みかんやオレンジ、いちご、キウイ、グレープフルーツなどにビタミンCが多く含まれています。
※注意点:胃酸が多い朝の時間帯にフルーツからビタミンCを摂取する場合、フルーツにももともと酸が含まれているため酸で胃が荒れることがあります。水を一杯飲んでから食べることをお勧めします。
消化が悪い食べ物は疲労を感じている時に食べないことをお勧めします。
例えば脂肪分や、油分の多いもの。
これらの胃の消化が悪い食べ物を摂取すると、長時間胃に物が残っている状態になり疲労を感じやすくなってしまいます。
天ぷらや唐揚げなどの揚げ物などがまさにその代表的な例ですね。
そして、焼肉も控えたほうがよいです。
焼肉屋でカルビや脂肪分の多いお肉、白米を食べ、さらにはビールまで頼み、挙句の果てには締めのラーメンまで行ってしまった…なんてことは少なくないと思います。
焼肉屋に行くこと自体は悪いことではないのですが、行く場合は白米を食べない、赤身(ロース、ハラミ)、鶏肉などを食べるなど、油や糖質を摂らないように意識しましょう。
ちなみに、私は筋トレ後にはアルコールを飲まないようにしています。
飲むこと自体を否定しないですが、 疲労回復を早めたい場合にはアルコールを摂取することはオススメしません。
<筋トレとアルコールの関係を知りたい方は、下記の記事の参考にしてみてくださいね。>
筋トレ後の食事はもちろん、筋トレの前の食事でも疲労への効果が期待できます。
筋肉に栄養を送るため、タンパク質、糖質は必須なので、これらをきちんと意識して食事を摂取することが大事です。
何も食べずに筋トレに行くとエネルギーが枯渇した状態で筋トレをすることになるため、効果がそれほどでません。
その状態で結構強度の高い筋トレをすると、効果がでないだけでなく体調不良になる可能性もあります。
効果的なトレーニングをするためにも、筋トレ前におにぎりなどで糖質を摂取してください。
人の体格にもよりますが、筋トレの1~2時間前におにぎり一個と水分を摂り、合わせてプロテインを飲むことを私はオススメしています。
トレーニング前に市販のプロテインを1杯飲むだけでもトレーニング後の効果は全然違いますので、ぜひ試してみてください!
<タンパク質の摂りすぎは便秘を引き起こすので注意!気になる方にはこちら>
筋トレ翌日はバランスの摂れた食事にプラスして、果物からビタミンCを摂取すると良いです。
前述の通りこまめな摂取がカギになるため、朝、昼と摂るように意識しましょう。
トレーニング翌日のランチは、先ほどお伝えしたように魚の油に含まれるオメガ3系脂肪酸を摂取できる食事がベスト。
ですが、働いていると忙しくてランチに行けずコンビニ弁当で済ませてしまう…なんてこともあるでしょう。
その場合は、お弁当ではなくコンビニの食材を組み合わせて食べるように心がけてください。
<マグロやカツオに多く入っているDHAやEPA!筋トレへの効果を知りたい方はこちら>
コンビニ弁当は確かにおいしいですが、栄養的な観点からみると必ずしも褒められるものではありません。
もしコンビニで食事を済ませる場合は、食材を組み合わせて購入することをお勧めします。
ベストなのは「おにぎり」「魚系のお惣菜」「緑黄色野菜のサラダ」この3つです。
まずは、おにぎりで糖質を補給しましょう。敬遠されがちな糖質ですが、筋肉に栄養を送るには必須です。
最近人気のサラダサーモンや、焼き鮭やサバの味噌煮など、これらはオメガ3系脂肪酸が摂ることができオススメです。
またサラダですが、なるべく緑黄色野菜(ブロッコリー、きんじん、かぼちゃなど)をたくさん摂るといいです。
もしどの野菜がいいかわからないという場合は、色合いが豊かなものを選んでみましょう。それだけでもずいぶん変わるはずです。
<コンビニ食では栄養の偏りが不安!という方はこちらの記事もおすすめ>
筋トレ前後の食事の摂り方は、その後の効果を左右する意味でもとても重要です。
また、疲労の残り方も摂取した食事によって変わってきます。
今回紹介した食材や栄養素を積極的に摂取し、疲れが残りにくく効果的な筋トレをしていきましょう!