筋トレには、筋肉痛がつきものだと思いますが、皆さんはどのように対処していますか?
一歩間違えると、筋トレの効果が半減してしまうかもしれません。
この記事では、筋肉痛を恐れずにパフォーマンスを最大化できる方法について紹介します。
うまく筋肉痛と付き合っていけること、間違いなし!?
山本 耕一郎(パーソナルトレーナー)
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アメリカンフットボール全国制覇の経験と、3か月で25kgの減量を実践した経験を活かし、数多くのクライアントのダイエットを成功させる。早稲田大学出身。 |
目次
早く効果を感じたい!と思って、筋肉痛があっても、休むことなくトレーニングに励んでいる方は多いのではないでしょうか?
でも、ここはぐっと我慢して、できる限り筋肉を休めてあげるのが良いとされています。
その理由は主に2つです。
1つ目の理由は、正しいフォームでトレーニングが行いづらくなることです。
例えば、胸に筋肉痛がある時にトレーニングを行うと、動作の過程で痛みを感じることになります。
その結果、最大限胸を伸ばすことができず、中途半端なフォームになってしまいます。
筋トレの基本は、フルコンストラクション、フルストレッチと言って、もっとも伸び縮みができる状態の大きな可動域でやってあげることが、効果が高いです。
中途半端にトレーニングを行うくらいなら、まずは休ませてあげて、筋肉を回復させてあげましょう。
2つ目の理由は、筋肉に過度な負荷をかけてしまう、オーバートレーニングの防止です。
筋肉痛が起きている間は、筋肉が修復をしようと体の器官や代謝が活性化されている状態です。そのため、代謝は5%〜15%、最大でアップすると言われています。
これを、アフターバーンと言います。
体をしっかり回復させてあげることで、筋肉が大きくなり、体が強くなっていく順応が起きます。特段の事情がない限り、筋肉痛の間は筋トレをしない方が良いと言えます。
ただ、負荷を軽くすれば大丈夫なケースもあるので、そこは専門家と相談しながらやってあげるのが良いのではないでしょうか。
また、胸だけが筋肉痛のように、筋肉痛が一部位の場合もあります。全身筋肉痛になることは少ないので、一部が筋肉痛のことの方が多いですよね。
その場合、筋肉痛の部位は軽い負荷でトレーニングをしてあげて、他の部位は通常通り行っても良いでしょう。
ただ、どんなトレーニングをするべきかについては、見極める必要があります。
例えば、背中に筋肉痛がある状態で、スクワットをして下半身を鍛えることは、一概に良いとは言えません。
特に、重りを使ったスクワットは、背中で重りを支えることになりますから、筋肉痛のせいでうまくバランスが取れないという問題も発生します。
前日、前々日の筋肉痛が邪魔にならないような、トレーニングサイクルを組むようにしましょう。
<効率的にトレーニングを組む方法はこちらがおすすめ>
筋肉痛を和らげるためには、筋トレ後にストレッチをすることがひとつの対処法です。
拘縮(こうしゅく)した筋肉を伸ばしてあげて、血流を促進し、筋肉を正しい位置に戻してあげましょう。
また、筋肉を回復させるために多くのタンパク質が必要となってきます。
<筋トレ後の超回復をうまく活用したい方にはこちらがおすすめ>
トレーニング後は、プロテインなどでしっかりとタンパク質を補い、十分な睡眠をとって疲労を低減させてあげましょう。
筋肉痛になるほどトレーニングで自分を追い込んでいるということですから、固形物からタンパク質を摂取するのがキツときもあると思います。そういう時にもプロテインは有効ですね。
<プロテインについてさらに知りたい方にはこちらがおすすめ>
ストレッチの他に、血流を流すことで筋肉痛を和らげる効果的な対処方法もあります。
2つご紹介します。
私のおすすめは、約7〜8分お風呂やサウナで温まり、その後冷水に浸かります。これを2〜3セット繰り返すことで、血流の促進が期待できます。
温冷交代浴は局部で試していただいても結構です。
例えば、膝に血流を流したいという時は、膝に温かいタオルなどを乗せてあげて、そのあと保冷剤などを使って冷やしてあげるといった具合です。
この温冷交代浴は、循環器(心臓)に負荷がかかりやすいので、十分に気をつけながら取り組みましょう。
軽いジョギングを行い、シトルリンとアルギニンという栄養素を摂取する!
<筋トレ後の入浴法についてさらに知りたい方はこちらがおすすめ>
軽いジョギングを行うことで、血流が流れやすくなります。
そのあと、シトルリンとアルギニンという栄養素を摂取すると、さらなる効果が期待できます。
この栄養素は、血管の増大、血流の促進に関わるので筋肉痛の低減が期待できます。
サプリメントで摂取することをおすすめします。
シトルリンが豊富な食品は、スイカやメロンなどが挙げられますが、日常的に摂取するのが難しい食品ですよね。
また、アルギニンはカツオやエビ、マグロといった魚介類のほか、牛肉にも含まれているのですが、これも金額が張って日常的に摂るのは難しいですよね。
サプリメントであれば、メーカーによって値段はまちまちですが、安いものであれば3000円ぐらい、高いものでも1万を超えることはないと思いますので、スポーツショップやドラッグストアで確認してみてくださいね。
アルギニンとシトルリンを摂取する際の注意点ですが、ほかのアミノ酸もしっかりと取ってあげましょう。
バランスのよい食事の後に、アルギニンとシトルリンを摂るとことで、より効率よく血流を良くすることができますよ。
<人気のサプリメントEAAやBCAAについて詳しく知りたい方はこちらがおすすめ>
筋肉痛がこないからといって、あのトレーニングはムダだったのか…?と思う方もいると思いますが、そういうわけではありません。
トレーニングを続けていくと、体が慣れてしまうことがあります。
これをRBO(=リピーテッドバウトエフェクト)と言い、筋トレを続けていくことで体が順応し、筋肉痛が起こりにくくなるという現象です。
筋トレは、トレーニング効果を確かめる1つの指標ではありますが、唯一の指標ではありません。だから、筋肉痛にこだわる必要はありません。
ただ、筋肉痛を引き起こしやすい動きはあるので、筋肉痛をどうしても感じたいという方は、その動きを中心にトレーニングすると良いです。
その動きとは、エキセントリック収縮です。
これは、筋肉が伸ばされながらも力を発揮している状態のことです。筋肉は普段、縮むことで骨を動かしたり力を発揮したりしていますが、エキセントリック収縮はその逆ということです。
エキセントリック収縮はこちらのベンチプレスを解説した記事でもご紹介しています。興味のある方は読んでみてください。
筋肉痛への対処方法をご紹介しました。
ストレッチの時間をもう5分伸ばしてみたり、水分補給としての水を筋肉回復のためのプロテインに替えてみたり、お風呂の後に冷水をかけてみたりと、少しずつできることから試してみてはいかがでしょうか?
筋肉痛が起こることで、日常動作にさえ支障をきたし、最初は戸惑うこともあるかもしれません。
ただ、筋肉痛は、筋力トレーニングで自分を追い込み、継続的に続けたからこそ得られるものです。
成長の証であり、自分がやってきた頑張りなのだと捉えて、筋肉痛と上手く付き合いながら、筋トレライフを送っていただけたら良いかと思います!