近頃SNS流行している「#腹筋女子」をみなさんはご存知でしょうか。最近では、バキバキに割れた腹筋は男性のだけのもの…ではなくなってきているのです!
腹部に脂肪がつきやすく悩んでいる女性は沢山います。割れた腹筋まではいかなくても綺麗なくびれが欲しい人、割れた腹筋を鍛えたい人、この記事ではそんな人に向けて、腹部をどうすれば鍛えることができるのかご紹介していきます。
また、腹筋を鍛えることは体を引き締めるだけでなく、他にも様々な効果がも期待ができます!それらについても詳しくご紹介します。
パーソナルトレーナー斎藤 裕香
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元ライザップのトレーナーであり、現在は表参道 plat-gym所属のパーソナルトレーナー。自身の経験を元に、男女問わずしっかり食べて生涯リバウンドしない、健康的な体をサポートしている。 |
目次
体の下腹部には内臓など大切な臓器が集まっています。体はこれらの臓器を守ろうと、下腹部周りに脂肪をつける傾向があります。
また、下腹部の筋力が衰えることで、ぽっこりとしたお腹になってしまいます。具体的には次のようなケースです。
特に、デスクワーク中心の生活の方や猫背の方は、下腹部に脂肪がつきやすいので注意しましょう。
デスクワークが多い方や車移動が中心の方は、活動量が低下して筋力が落ちてしまいます。生活の中で消費できなかった摂取カロリーは、どんどん体に蓄えられます。この時に、体脂肪としてつきやすいのが腹部です。
姿勢が悪く猫背になっていると、背筋や腹筋の筋力が低下し、腰が少し前に出るようになり下っ腹を強調することになります。
下腹部の筋力の低下を防ぐためはトレーニングが必要です。ですが、腹筋の中でもどの筋肉を集中的に鍛えることで自分の理想のお腹になるのでしょうか。
「お腹に線を出して、かっこいい筋肉をつけたい!」という人や、「くびれは欲しいけど、割れた腹筋はいらないかな・・・」という人など、人によって目標としている腹筋の状態は違うはず。ここでは、目指すスタイルを得るためには、筋肉を集中的に鍛えると良いのかを解説します。
一言で腹筋といっても、実は4つの部位(腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋)に分かれています。それぞれの部位の特徴と役割を知ることで効果的なトレーニングを行えるようになるのです。
お腹の前側にある筋肉です。シックスパッドと言われる部分を含み、胸下から股下まで繋がる長い筋肉になります。臓器を守り、位置を固定してくれる役割があります。
この筋肉は臓器の場所を正しい位置に持っていってくれる働きがあるのため、お腹がへっこむ効果があります。この筋肉を集中的に鍛えると、アブラックスというお腹の中央を伸びる縦線が出てきます。さらに鍛えると、横線が出てきてシックスパックを手に入れることができます。
腹斜筋の一つで外側に付いているもの。脇腹の筋肉で、横腹にを包むように巻き付いています。体幹を安定させてくる役割があります。
胴体全体を包むようになっている外腹斜筋を鍛えることで、くびれを作る効果があります。女性らしいキ曲線を描くウエストを手に入れることができます。また、自然と姿勢がよくなり、胸郭を引き上げて綺麗なバストラインを作り出します。
腹斜筋の一つで内側に付いているもの。前述した外腹斜筋は腹部の全体を覆う表層筋に対して、内腹斜筋は深層に位置するインナーマッスルです。
脇腹を中心に両サイドに巻きついている内腹斜筋は、コルセットのような役割があり、脇腹を引き締めてくれる効果があります。この筋肉は骨盤を正常な位置に引き上げる働きがあり、お腹をすっきりと見せてくれます。
脇腹の内層にある薄い筋肉。腹筋の中で、一番深部に位置する筋肉であり、臓器などの内部にも影響を与えている筋肉です。
腹部にベルトのように横向きに巻きつく筋肉のため、ここを鍛えることでウエストが引き締まります。また深部に位置する筋肉のため、体の軸や骨盤がしっかり固定されます。
腹筋を鍛えることで、くびれや引き締まったウエストを手に入れることができます。また、筋肉量が増えることで基礎代謝量が上がり痩せやすい体になります。さらにはこれら以外にも、腹筋を鍛えると女性にとって嬉しい次の効果が期待できるのです!
腹筋を鍛えることで、内臓や胃を正しい位置に保ち、胸を張り出すような姿勢ができるようになることで、バストアップ効果が得られます。特に、猫背になっている方は、肩が内側に丸まり胸も下に垂れたような状態になってしまうため、腹筋を鍛えることでバストアップ効果が得やすいです。
筋肉の伸縮よる腹圧は、腸に溜まった便を押し出す大切な役割があります。便は、腸のカーブに差し掛かるところで溜まってしまいがちですが、腹筋が鍛えられ腹圧がうまく機能していると、息む力が強くなりスムーズに便を押し出すことができるのです。
また、腹筋を鍛え内臓を正しい位置に戻すことができれば、内臓の働きも活発になります。内臓の働きが活発になることも便秘の解消につながります。さらには便秘を解消することによる美肌効果も期待できます。
内腹斜筋は、骨盤を上に引き上げる効果があります。この筋肉がきちんと鍛えられることによって、骨盤を適切な位置に引き上げます。特に女性は出産などで骨盤が緩んでしまうことがあるため、この筋肉を鍛えておくと良いでしょう。
また、腹横筋の腹圧が弱くなると、骨盤や体幹がグラいてしまい腰痛の原因となります。内腹斜筋や腹横筋を鍛えることは、腰骨や骨盤を安定させてくれ、腰痛予防と改善につながります。
腹筋を鍛えることで、体幹が鍛えられ、疲れにくい身体になっていきます。体幹がしっかりしていないと、上半身がグラつき、本来とは違うところに力が入ってしまう事があります。これにより肩や首、片方の足だけなどに余計な負担がかかり、疲れを感じやすくなるため、腹筋を鍛えて、体幹をしっかりとさせる事は疲れにくい身体づくりにつながります。
腹筋を鍛えたいけどなかなか何から始めていいかわからないと言う方も多いと思います。本格的なトレーニング方法はこの記事の後半にゆずり、ここではテレビを見ながらや通勤時間にできるエクササイズを紹介していきます。
座ったままでも立ったままでも、いつでもできる簡単なエクササイズです。
最初のうちはお腹に力を入れたまま呼吸をすることが少し難しいかもしれません。その場合はお腹に力を入れるのを5秒程度にして、力を抜いている時間を10秒ほど取ります。休む時間が長いとあまり効果がなくなってしまうので、10秒ほどに抑えましょう。
通勤中や家事をしながらでも簡単にできるので、気づいたときに繰り返し行い習慣化を目指しましょう!
座ったまま、確実に下腹部に効くエクササイズです。
呼吸を忘れずに、きちんと腹筋が硬くなっているかを確認しながら行ってください。ドスンと足を床に落とすのではなく、ゆっくりと下ろしていくことがポイントです。※きちんと安定した椅子を使いましょう。
<参考動画 「足上げエクササイズ」のやり方>
MYREVOトレーナーの斎藤裕香が、下腹部の筋トレ種目である足上げエクササイズのやり方を解説します。
このポーズはマッチェンドラアーサナといい、鍛えるというよりも、気持ちよく自然に腹筋に働きかけるものです。
<参考動画 「マッチェンドラアーサナ」のやり方>
MYREVOヨガインストラクターの斉藤玲奈が、腹筋を伸ばすヨガのポーズであるマッチェンドラアーサナのやり方を解説します。
背筋を伸ばし骨盤を立てた状態で行いましょう。
ここからは、腹筋を引き締めるだけではなく「腹筋を割りたい」という方に向けて本格的な方法をお伝えていきます。
腹筋が割れている状態のとき、体はどれくらいの体脂肪率になるのでしょうか。女性は男性よりも体脂肪率が高くなります。ここでは女性の腹筋に線が入る際の体脂肪率をご紹介しますので、現在のご自分の体脂肪率と比べてみてください!※年齢によっても多少異なります。
※15%以下になると、月経が止まるなどという可能性があるため注意が必要です。
また体重を気にされる方もいるかもしれませんが、あまり執拗に気にする必要はありません。筋肉は脂肪よりも重いものですが、大きさは脂肪よりも小さいのです。
脂肪と筋肉を同じ100gで比べると、見た目の大きさに12㎤の差があることになります。
例えば、この画像は、左右どちらも同じ背丈の女性、体重も同じ55kgです。しかし、同じ体重にも関わらず、右側の方が引き締まっています。(※著作権の関係上、画像は実際の写真をイラスト化しております。)
同じ身長で同じ体重の人を横に並べても、体脂肪率が低い右の人が引き締まって見えるのです。
腹筋女子を目指すに当たって、どれくらい頑張る必要があるのかは気になるところです。そこでここでは、ブログやインスタで実際に腹筋が割れている女性のトレーニング期間を紹介します!
腹筋が割れる2分間のトレーニングを1ヶ月と簡単な食事管理をして腹筋に線が入ったそうです。※1
食事制限・有酸素運動・筋トレを3ヶ月間行い、体脂肪率を約9%落とし、腹筋に綺麗な縦線とうっすら横線が入ったそうです。※2
お家でできる自宅トレーニングを10ヶ月ほど行い、体脂肪を落とし腹筋に縦線が入っていました。※3
トレーニングを始める前の体脂肪率にもよりますが、30%前後からのスタートの場合は3ヶ月以上はかかるのかもしれません。
腹筋を割るためには、大前提として次の2つが重要であることを知っておきましょう。
ではまず、「1」の脂肪を落とす為にはどのようなことをすれば良いのでしょうか。この章では、その方法をご紹介します。
脂肪を燃やすには、有酸素運動を取り入れるのが効果的です。実際に「物が燃えるときには酸素が必要」というのと同じで、脂肪を燃やすにも酸素を体に取り込むことが大切なのです。
有酸素運動は、水泳やサイクリング、ウィーキングやジョギングなどがあります。”有酸素”ですので、運動しながら呼吸をしっかりできなくてはいけません。そこで初心者でも取りかかりやすい有酸素運動で、おすすめなのは「ジョギング」です。
ここのポイントは2つ、①会話を楽しめるスピードで、②20分以上継続して走る、ということです。
①会話を楽しめるスピードは、呼吸が上がりすぎず、酸素を体内にきちんと送ることができる為です。そして②20分以上継続するというのは、有酸素運動を初めて最初の20分は糖質が優先して燃やされ、20分以上経つと脂肪が優先して燃やされる為です。この2つのポイントを意識してジョギングをしてみましょう。
<有酸素運動で痩せるにはこちらの記事もおすすめ!>
食事の内容に気をつけるだけでも、体の脂肪率は大きく変化します。
特に、炭水化物の摂りすぎは血糖値を上昇させます。炭水化物の摂取によって上がった血糖値を下げようと、体内からインスリンというホルモンが分泌されます。このホルモンは糖を脂肪に変える働きがあるので、脂肪を落としたいと考えている時には、気をつけたいポイントです。
また、糖質も体を動かすために必要ですが、摂りすぎると脂肪に変わってしまいます。
<炭水化物との付き合い方はこちらの記事もおすすめ!>
タンパク質は筋肉を作る材料になります。ですが、普通の食事で十分な量のタンパク質を摂るのは大変です。そんな時はプロテインを活用すると効率的です。
さらに、食物繊維も血糖値の上昇を緩やかにする働きがありますので、食事に取り入れると良いでしょう。
水分補給も重要です。水分は基礎代謝を上げ、脂肪の燃焼を助けます。1日に約2リットルをこまめに飲むように心がけましょう。
<プロテインはこちらの記事もおすすめ!>
ここからは腹筋を本格的に鍛えたい女性へ、効果のある筋トレのやり方をご紹介します。
クランチは腹直筋を鍛えると筋トレメニューになります。腰に負担がかからないので、初心者にも行いやすいトレーニングです。
※この時、腹筋に力が入っていることを確認しながら、10回×3セットほど行ってください。
<参考動画 「クランチ」のやり方>
MYREVOトレーナーの斎藤裕香が、腹筋の筋トレ種目であるクランチのやり方を解説します。
腹筋はもちろん、体全体の筋肉を鍛えるのにも効果的な筋トレです。これは上半身を効率的に絞れる筋トレになります。
※体動かせてキープしている時間は、30秒から2分間、ご自分のレベルに合わせて行いましょう。この時、腰が下がってこないように気をつけましょう。
<参考動画 「プランク」のやり方>
MYREVOトレーナーの斎藤裕香が、腹筋の筋トレ種目であるプランクのやり方を解説します。
この動きは腹直筋だけでなく、腹部の深部にあるインナーマッスルまでも鍛えることができます。
※これを15回×3セット行います。息をゆっくり吸いながら、足を上に持ち上げるようにしましょう。
バイシクルクランチは主に腹斜筋を鍛える種目です。
※この動作を左右交互に15回ずつ繰り返し行っていきます。
毎日たった2分間のトレーニングを連続して行うだけで、1ヵ月ほど続けたら腹筋が割れてくると言われる、海外で非常に人気のあったトレーニングです。これまでにご紹介した、クランチやレックレイズなどが30秒ずつ組み込まれた2分間のトレーニングになります。
1日たった2分と言う時間ですので、朝決まった時間にトレーニン組み込まれた2分間のトレーニングになります。1日たった2分という時間ですので、忙しい方でもお気軽に取り込むことができます。取り組んでみたい方は下記の記事をご覧ください!
腹筋ローラーとは、小さな車輪が1つ真ん中に付いており、その両サイドに取手が付いている器具なります。その取手を握り、ローラーを転がして使います。
腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋を効果的に一気に鍛えることができる器具であり、女性も簡単に扱えて、小さく保管場所にも困らないので、ぜひ活用することをおすすめします。
初心者は膝をついてトレーニングを行い、慣れて来たら、より負担のかかる立ち姿勢からチャレンジしてみましょう。
※これを10回×3セットほど繰り返しましょう。肩に力をいれず、腹筋を使っていることを意識して行いましょう。
※これを5回ほど繰り返しましょう。とても難度の高いトレーニングなので、初めは1度でもできたら自分を褒めてあげてください!
腹筋ローラーといっても、車輪の大きさが様々であったり、アシストが付いていたりと種類も様々です。ここでは女性が腹筋を鍛えるのに使う、おすすめの腹筋ローラーをご紹介します。
ストッパー付きで前に勢いで倒れてしまうことがありません。また、グリップが太いスポンジで、掴みやすくなっています。
ローラーが二輪になっており、ぐらつきが少なく、安定感があります。小さめで部屋の置き場所に困らないデザインです。】
大きなローラーが2つも前後に設置してあり、安定感があります。他のものに比べてローラーが太いので、体重をかけても安心です。
カラーが4種類あり、好きな色を選ぶことができます。専用マットがついているので、膝をつけたトレーニングでも足が痛くならずに安心して使用できます。
<腹筋ローラーの使い方はこちらもおすすめ!>
腹筋の鍛え方は様々です。自宅でできるトレーニングが多く、今から始められるものばかり。腹筋を鍛えることで、引き締まったお腹だけではなく、便秘解消や腰痛の改善など、嬉しい効果が沢山得られるでしょう。
筋トレの動画を見ながら一緒にやるのも良いですし、器具を使って鍛えるのも良い方法です。ここで一番大切なのは、継続して行うこと。ご自分にあったやり方をみつけて、#腹筋女子を目指してみてくださいね。
※1 https://www.youtube.com/watch?v=h4rOQx0ktPw&feature=youtu.be
※2 https://madamsteam.com/column/351
※3 インスタグラムアカウント「@rin153_design」を参照