懸垂をしようとしても上手くいかない・・・そんな時に懸垂の正しいフォームや動き、できるようになるまでのやり方や練習の仕方について解説します!
懸垂にはさまざまな種類があるので、初心者や上級者など難易度で分けたアレンジ方法も取り上げます!
懸垂は広背筋を中心に上半身の筋肉を鍛えることができるトレーニングです。
男性なら背中の筋肉を鍛えられ、女性ならバストアップやウエストの引き締めなど幅広く効果が見込めます。ここでは懸垂の効果についてさらに詳しく説明します。
懸垂で鍛えられる筋肉はたくさんあります。
特に、広背筋や上腕二等筋、大円筋、前腕の筋肉、腹筋などが鍛えられます。
何より筋トレ効果を得るのは広背筋を含めた背中の筋肉です。懸垂は腕に意識が行くので、腕の筋トレと考えられがちですが、体重を引き上げるために大きな力が背中側の筋肉に加わります。
懸垂はカロリー消費はそこまで多くないので、ダイエットには向かないように見えます。実際、自重トレの腹筋よりは高いがスクワットなどに比べると消費カロリーも小さいです。
しかし、引き締め効果は他の筋トレよりも高く、最初に少し触れたウエストの引き締めに効果を発揮します。
懸垂で鍛えられる広背筋は鍛えると、肩と側面からお腹や胸を引っ張りあげることができます。さらには姿勢が良くなるため、お腹回りがさらに引き締まります!
更に二の腕を絞ることもできます。
また、懸垂で鍛えられる背中の広背筋は大きく、全体の7%を占めるなど、8番目に大きな体積を誇る筋肉です!
そのため懸垂で背中を鍛えることは基礎代謝が上がり、ダイエットの方が効果が大きくなります!
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懸垂は腕や背中を鍛えて、筋力を上げることができます。
ところが、運動面の効果でいえばただ筋力が上がるだけではなく、体幹や腹筋も鍛えられるので、体が安定する、姿勢が良くなるといった効果があります!
いままで運動するときに体が不安定だった人が安定感を得て運動能力の向上が期待できます。
見た目についても引き締まるので、ダイエット効果で挙げたようなウエストや二の腕、お腹のたるみが消えて、男性なら背中(逆三角)ががっしりします。
女性ならバストアップの見た目に変わることもあります。このように理想の姿を作るためにも懸垂は有効です!
懸垂の効果がわかったところで、次に懸垂初心者に知っておいて欲しいスタートメニューについて取り上げます。
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いきなり懸垂を行うと、負担が大きすぎて、筋肉を傷めたり、フォームが悪くて故障が起きることがあります。
そこで、ここでは懸垂のトレーニングをしたことがない初心者の方に、取り組む際の基本的な動きや懸垂を行うのに必要な筋肉を鍛えるトレーニングについて説明します!
練習メニューとしてまずはバーベル上げが有効です!
腕や背筋を使って物を持ち上げるトレーニングであるため、基礎的な筋肉を鍛えることができます。いきなり全体重が腕にかかってしまうことを避けることもできます。
バーベル上げなら重量を調整できますし、ベンチに横になって行うベンチプレスでは腕を中心に鍛えることができます。
起き上がった上体でやれば、背筋などを一緒に使えるので、懸垂の動きをイメージして、上半身の筋肉を最低限付けることができるでしょう!
次に練習メニューとしてはリバースプッシュアップが使えます。
バーベル上げは前面にアプローチする方法で、このリバースプッシュアップはバックの広背筋を鍛えられます。懸垂とは動きが少し違いますが、基礎的な筋肉をつける段階ではちょうど良いトレーニングです!
背中側の筋肉を鍛えられるトレーニングは限られているので、まずは負担が少なく続けやすい上半身の他の筋トレも組み合わせ、筋肉がついたら懸垂にチャレンジしてみましょう!
懸垂に必要な最低限の基礎的な筋肉がついたら、今度は実際に懸垂をしてみましょう!
ただし、見よう見まねで知っている懸垂の動きをするのではなく、正しいフォームで自重トレーニングと意識して行います。
懸垂の正しいフォームや流れは以上です。正しい懸垂のフォームを把握したら、懸垂の種類とやり方を見てみましょう。
ここからはいろんなパターンの懸垂のやり方について、レベルを初級、中級、上級に分けて紹介します。通常の懸垂からそれを応用した形の中級のトレーニング、それから難易度の高い上級の6つを紹介します!
まずは初級として懸垂の動きになれるために足が付いた状態で懸垂を行う練習をしましょう。
懸垂の基本である逆手で行うのがチンアップです。それを斜めに行います。
普段は意識せず、懸垂に使うときの背中や腕の筋肉を意識して、取り組みます。
連続でやると、足をつく意味が薄くなるので、必ず1回ずつフォームを確認して、握る位置や体勢をチェックします。慣れてきたら、足をつけずに普通の懸垂を行いましょう!
やり方のコツは腕を意識しながら、胸をバーに引き寄せることです。
このとき、下半身が重力や円運動によって前に出てしまうので、両足を後方に置いてバランスをとります。
反対にNGなやり方として、肩甲骨を使わず、状態だけをバーの上に持ち上げて、懸垂をした気になることです。
こうすると、一番鍛えられる広背筋に力が伝わらず、関節を痛めることにもなりかねません。それから背筋を反らしすぎるのも腰を痛めるのでNGです。
プルアップはチンアップの握り方と反対で順手で懸垂する方法です。やり方は、
順手で行うときのコツは、足を曲げずにまっすぐバランスを取ることです。
握りが逆手と反対なので、後ろに足を曲げる必要はありません。無理に顔をバーの上に上げたりアゴをつける必要はなく、自重によるアップダウンのトレーニングを意識すれば問題ありません!
もちろん、中級・上級者であれば、負荷を最大限得るためにバーより上に持ち上げるのも良いでしょう。
NGなやり方は、地面を強く蹴って反動だけで、懸垂してしまうことです。それでは負荷が減ってしてしまいます。
それから動きになれないうちは、体のラインが反らないようにも気をつけましょう。
ワイドプルアップは、順手懸垂であるプルアップの腕の間隔を肩幅より大きく広げた方法で行うものです!
ワイドで行うときのコツは胸をバーに引き寄せるイメージで行うことです。特に背中を意識して行いましょう。
また、NGなやり方として、途中で腕を動かさないことです。
やりにくさを感じて内側に腕を移動させてしまうと負荷が弱くなって、ワイドのメリットがなくなります。体も安定しないので、セットポジションから腕と体だけが上下に動く運動を意識しましょう。
クローズ(ナロー)プルアップは、ワイドプルアップの反対で、通常の懸垂よりも手の間隔を狭くして行う懸垂方法です。
その分、肘関節に加わる力も大きくなるので、初心者向けのトレーニングではありません!
クローズ(ナロー)をやるときのコツは、地面からまっすぐ垂直移動するようにして懸垂を行うことです。
間隔が狭く、懸垂がしにくいと感じるので、つい体が不安定になってぶれてしまうので注意しましょう。
NGなやり方としては、肘を内側に向けすぎないことです。
肘関節への負担が大きくなるトレーニングなので、肘は少しだけ外向きを意識すると良いでしょう。そうしないと関節の負担が高くなりすぎて肘を傷める危険性があります。
今度は上級の懸垂トレーニングです。最初がウエイトプルアップの紹介です!
ウエイトプルアップは普通のプルアップにウエイトを足して行う懸垂のことです。ウエイトは体に固定バンドやタオルなどで設置します。
コツは足を少し後ろに組んで真下に垂れ下がったウエイトとバランスをとることです。
NGなやり方は、ウエイトによって自重よりも重くなっているので、スピードを早くしすぎないことです。速すぎると、肘関節のけがをします。また反動で懸垂をしないようにゆっくりと行うことも意識しましょう。
プルアップの難度をさらに上げたのがこのプライオメトリックプルアップです。順手で懸垂をした後に、一瞬手を離して戻すという動作が加わります。
やり方のコツは、体が完全に止まってから手を離すことです。体が安定しないままだと手を離しても上向きの力が残っているので、十分な負荷を掛けられません。
また、NGなやり方として手を離すだけで、上方向に力を入れたりしないことです。
空中で体をさらに持ち上げようとして、上手くバーをつかめないと、落下の危険があります。できれば、あまり高くないバーでトレーニングしましょう!
懸垂の種類ややり方が分かったら、今度は懸垂の頻度について適切な回数を確認しましょう!
これまでに紹介してきた懸垂は、果たして毎日行うべきなのでしょうか?
懸垂は日課のようにするのが良いといわれることがありますが、実はスポーツ科学の観点(トレーニングや超回復の理論)からは毎日すべきではないのが事実です。
懸垂も負荷をかけての筋肉トレーニングの1つなので超回復の例外になる訳ではありません。
<超回復の解説はこちら!>
そのため、どうしても毎日行いたい場合は、負荷をへらしたり、回数を調節するなどして、筋肉痛の様子と見ながら超回復との兼ね合いを考える必要があります。
初心者は5回を目標に、慣れてきたら10回前後を3セットのメニューで行います。
上記は、あくまでも毎日行う場合であって、トレーニングで筋肉を鍛えるという視点では毎日行わず、間隔をあけて適度に取り組むのが筋肉を育てる上ではベストです!
懸垂の頻度が分かったら今度は懸垂前後のストレッチについても見てみましょう。
懸垂をする前には、必ず簡単なストレッチを入れるのが良いでしょう!
なぜなら懸垂は自重のほとんどが腕にかかってくるため、強度が高めのトレーニングだからです。
筋力のない女性の中には、一度も懸垂ができない人もいるくらいです。したがって、強い負荷がかかる前にしっかりとストレッチをして、体をほぐしておくことが大切です。
体を温めるという意味で、まずは動的ストレッチで腕・肩・背中を筋トレできる状態にします。主に、手をぷらぷら・ぐるぐるさせたり、側屈で背中や肩を動かすなどのストレッチを行います。
これによって筋肉に血液がめぐるので、懸垂の効果をより高めることにも繋がります!
腕をほぐすことで腕全体の動きや肘関節の可動範囲を広げて動きを大きくできます。さらに背中を動かして温めることで上半身の緊張を解いて体から力みをとり、無理な姿勢で懸垂を行わないようにすることも可能です。
懸垂後は、筋肉が疲れて上手く力が入らない状態になるので、軽く腕や背中を伸ばすストレッチが良いでしょう。
まずは手を手前に引いて反対の手で肘をつかみ手前に引き寄せる。それから、両手を腰に当てて、後ろに上体をそらすなど筋肉の無理のない範囲で行いましょう!
<背中のストレッチはこちらの記事をcheck!>
懸垂があまりトレーニングとしてされない理由の1つに自宅に懸垂をできるところがないことが挙げられます。
しかし、懸垂は効率的に上半身を鍛えられる数少ないトレーニングなので是非導入したいところです。そこで、最後に自宅で懸垂を取り組みたいと考えている方向けに、自宅で懸垂ができるアイテムを紹介します!
この商品は、チンニングスタンドに1つで、自宅に組み立てて設置するだけで懸垂ができるようになるアイテムです。簡易の物干しスタンドのようなスタイリッシュな形状で、1人で懸垂するだけのスペースだけで行えるのも特徴です。
自宅での設置の仕方は自由自在で、移動も簡単です。
メーカー名 BangTong&Li
値段 10,890円
サイズ 幅約100cm×奥行約65cm×高さ約145cm~205cm
2つ目の商品は、壁に固定してバーとして使えるアイテムです。手軽に壁と壁の間にバーを作り出すことができます。
また、安全ストッパーもついているので、突っ張り棒だけの商品とは違い、しっかりと壁に固定できるので安全です。
空間の広さによって、40センチ程度伸縮できる上に、バーの基本的な長さを変えて購入できるのも良いでしょう。設置は簡単で、バーを延ばして、部品で両端を固定するだけです。一度設置しても場所を変えられるので、懸垂のしやすい場所を自分で選ぶこともできます。
メーカー名 Bodyrox
値段 2,830円
サイズ 長さ約64cm~104cm
今回は、懸垂の正しいやり方や通常の懸垂にアレンジを加えた方法などを紹介しました!
懸垂の効果を高めるためには、懸垂の正しいフォームとやり方の工夫が必要です。よりトレーニング効果を狙える懸垂やその方法を知って、筋トレに加えてみましょう!