この記事では、前半でランニングを継続しているのに痩せない理由を解説します。
また記事の後半では、私がランニングを通じて3.5ヶ月で10キロの減量に成功した経験から、ランニングで痩せる方法もお伝えします。
易 成
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ランニングチーム「Morning Running Club(通称モニラン会)」メンバー。某大手ガス会社勤務。ランニング歴4年。終電逃してもハーフマラソン位の距離までなら走って帰宅します。帰宅ランのみで3か月で10キロ減量達成。<フルマラソンタイム 2019年3月東京マラソン:3時間1分54秒> |
目次
当たり前のことですが、そもそも下図で示すように、【摂取したカロリー<消費カロリー】でないと痩せません。
また、消費カロリーは「基礎代謝」と「運動代謝」に分けることが出来ます。
ランニングは消費カロリーの中の「運動代謝」にあたります。
これらを踏まえて、ランニングをしても痩せられない3つの理由について考えて行きましょう。
走ったから何を食べても許されるという幻想を抱く人がたまにいます。
例えば、30分走ってお腹が空いたから、チャーシュー麺(約500kcal)と生ビール(中ジョッキ1杯で約200kcal)を摂取したとしましょう。
70kgの人が30分走った場合の運動代謝による消費カロリーは約350kal(30分で5km走ったとして、70kg×5km=350kcal)なので、単純計算で消費した量の倍位カロリーを摂取したことになります。
また、エネルギー消費が激しいランニング直後は身体の栄養吸収率が良いため、いつも以上にふとり易くなります。
基礎代謝とは、じっとしている場合に消費されるカロリーのことです。
基礎代謝は消費カロリーの6~7割を占めると言われているので、いくら運動代謝(ランニング)を高めても、基礎代謝が低ければ痩せません。また、基礎代謝が低い=太りやすい体質と言えますので、たとえランニングで一時的に痩せたとしても、ランニングをやめた途端直ぐにリバウンドするでしょう。
痩せやすい体質を作るためにも基礎代謝を高めることが重要です。
何事もそうですが、ある程度量をこなさなければ効果は出ません。ランニングで痩せられないという方は、そもそもランニングを継続出来ていない場合が殆どです。
ランニングダイエットは時間も労力もかかるため、決して楽なダイエット法ではありませんが、正しいやり方で続けることさえ出来れば、確実に痩せることができます。
人によって向き不向きはあります。
では、ランニングダイエットに向いている人はどういった人なのかについて、①目的 ②環境 ③性格の3つの視点で考えてみましょう。
ランニングを継続してやっている人は、スレンダーな方が多いです。
箱根駅伝の選手やオリンピックに出るマラソン選手は、皆スラっとしていて引き締まっていますよね。また、モデルさんやタレントさんの多くも体型維持のためにランニングを行っています。
一方、ゴリゴリのマッチョ体型を目指す方にはオススメしません。
なぜなら、ランニングを続けると脂肪だけでなく筋肉も消費されるからです。これは、有酸素運動であるランニングを行うことで、筋肉の材料となるアミノ酸がエネルギーに変換され消費されてしまうからです。
ランニングダイエットは食事制限のみのダイエットと異なり、時間も労力もかかります。
また、ランニングを行う時間帯や食事タイムとの兼ね合いを考慮しなければ効果が薄れてしまうため、スケジュールを上手に組む必要があります。
例えば、私は平日の日中は勤務なので基本的に夜しか走れません。残業や飲み会がある日だと、更に走る時間が限られます。
また、豪雨や雪の日だと走れないですし、食事直後も厳しいです。
因みに、私は走る時間を捻出するため、会社からの帰宅ランを行いました。帰宅ランは、帰宅という確定した予定を含んでいるため時間を捻出しやすくオススメです。
ランニングは独りで行う場合が多いです。
ジムやサークルに入って仲間とランニングを楽しむケースもありますが、ダイエット目的で数をこなすのであれば、圧倒的に独りで走る場合が多いでしょう。
独りで走る場合の難点としては、途中で飽きたり疲れたりして三日坊主でランニングを辞めてしまうことです。三日坊主にならないためにも、音楽を聞いたりアプリで距離やペースを図ったりして、ランニングを楽しみましょう。
因みに私はスマホアプリで時間と距離のログを取りながら時間を決めて走っています。
例えば、先週末は2時間走ると決め、自宅がある南千住から新木場までの約20kmを往復しました。時間を決めて走ることのメリットとしては、マイペースで好きな所まで観光気分で行けてなおかつタイムロスがない点だと思います。是非試してみて下さい。
ここまでの考察で、ランニングで痩せるためには下記の4つのポイントを抑えることが重要だと言えます。
私は実際に上記を意識することで、3ヶ月半で10kg痩せることが出来ました。また、痩せてから1年近く経っていますが、一度もリバウンドをすることなく体型を維持しています。それぞれのポイントについて詳しく説明していきましょう。
食べ過ぎないことは大原則ですが、ランニングに適した食事について考えましょう。
ランニングでは筋肉の消耗が激しいため、ランニング後2時間以内にアミノ酸やタンパク質を摂取することで筋肉を回復させることが重要です。また、食後直ぐのランニングは消化吸収の妨げとなり、内臓に負担がかかるため、避けましょう。(食事から3時間後にランニングを行うのが理想だそうです。)
なお、アミノ酸はタンパク質が分解されたものなので、実質タンパク質と同じです。つまり、タンパク質が多く含まれる卵、大豆、お肉やお魚をしっかり摂取することが大事です。
私はコスパ重視なので、鶏むね肉を良く食べました。因みに、お勧めのレシピは鶏むね肉と大根のスープです。最近では、タンパク質を効率的に取るためにプロテインを摂取している人も増えているので、是非活用しましょう。
ランニングに適したプロテインの摂取の仕方について詳しく知りたい方は下記の記事もご参照下さい。
基礎代謝の約4割が筋肉の運動や回復に使われると言われているため、筋トレは基礎代謝を高める最も効果的な方法だと言えます。
ランニングだけでも体重は落ちますが、同時に筋肉量も落ちます。スレンダーで引き締まった体型を手に入れるためには適度な筋トレが必要不可欠です。
また、筋トレで足腰や膝を鍛えることで、怪我のリスクを軽減し長時間のランニングにも耐えうる身体を作れます。私は丈夫な脚と優れた体幹を手に入れるため、スクワットと腹筋を重点的に行いました。
筋トレがランニングにもたらす効果について詳しく知りたい方は下記の記事もご参照下さい。
一般的にダイエットに効果的だと言われているランニングの基準は下記の通りです。
ここで言う1km当たりのペースのイメージは、ゆっくり話しながら走れるペースです。ペースが速すぎると無酸素運動になってしまうため、脂肪燃焼には向きません。
仮に、6分/kmペース(時速10km)で30分間のランニングを週3回行った場合、走行距離は15km/週となります。
70kgの人がこのペースでランニングを行った場合、単純計算で約1,000kcal/週の運動代謝となります。理論上、1kg痩せるには7,200kcal消費する必要があるため、ランニングの消費カロリーだけで1kg痩せるには、7週間かかる計算となります。
実際には、ランニングで基礎代謝も上がりますし、ランニングで食欲が抑えられる分摂取カロリーも減るため、より短期間で痩せられるはずです。
因みに70kg弱だった私が3ヶ月半(14週間)で10kg痩せた時は、820km走りました。
距離だけで言うと前述の基準の4倍位走っているのですが、痩せるスピードは5倍(前述の基準だと10kg痩せるのに70週間かかる)ですので、ランニング距離以外の要因がダイエットに寄与しているのが分かります。
私の場合は、夕食を取る前にランニングを行い、食欲が起きないまま寝てしまうことが多かったので、食欲が抑制された影響が大きかったのだと思います。
私は歯磨きのように、ランニングを生活習慣の一部として定着させることが出来れば継続できると考えています。
私の場合は、職場からの帰宅ランを行うことでランニングを習慣化しました。皆さんも自分に合ったやり方でランニングを習慣化しましょう。
なお、私は最近の引っ越しで職場と家が近くなったので、帰宅ランはやっていません。その代わり、平日の1時間走と週末の2時間走を行っています。以下に私の独自ルールを参考までに載せておきます。
平日の1時間走 |
家の近所の決まったコースを一時間で走れるだけ走る。因みに、川岸往復コースのため信号で止まることはありません。メリットとしては、家の近くに加え同じコースなので安心して走れることです。
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週末の2時間走 |
家から1時間かけて可能な限り遠くまで行き、1時間かけて戻る。なお、信号に当たると左折するか、足踏みすることにしているので、完全に立ち止まることはありません。メリットとしては、観光気分で走れるため飽きることがないことです。因みに給水は途中の公園で行っているので、お金はかかりません。
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私が3ヶ月半で10kg痩せた詳細は下記記事でまとめておりますので、興味がある方はご確認下さい。
ランニングはいいこと尽くしなのですが、一方でリスクもあります。ここでは、
について触れ、それぞれの対策を考えて行きましょう。
ランニングは決まった動きの繰り返しのため、続けると疲労の蓄積により膝回りが痛くなったり、肩回りが凝ったりします。
私もランニング初心者の頃は良く膝や足の脛を痛めていました。一回膝や脛を痛めてしまうと完治するまでに数週間はかかるため、ダイエットどころではなくなります。
これらを防ぐには、ランニング前のストレッチが有効です。特に良く使う股関節、膝回り、肩回りなどは入念にほぐしましょう。ストレッチの詳細について知りたい方は、プロのランニングコーチのストレッチ方法が紹介されている下記記事をご参照下さい。
ランニングは走るためのエネルギー源となるタンパク質の消耗が激しいです。
タンパク質は髪の毛、爪、肌を作る上で必要な栄養素であるため、不足すると髪の毛や肌のツヤが損なわれてしまいます。美しい髪の毛や肌を維持するためにも、タンパク質を多く摂取しましょう。
ランニングは酸素を多く消費します。酸素と結びついて身体の中を循環させる役割を担っているのがヘモグロビンなのですが、そのヘモグロビンの生成には鉄分が必要になります。
つまり、酸素を多く消費するランナーは鉄分が不足しがちになるため、貧血のリスクが高まるのです。
ですから、貧血にならないためにも、鉄分を多く摂取しましょう。
また、鉄分はビタミンCと一緒に摂取することで吸収率が高まることが知られています。一方、ランニングでは、ストレスでビタミンCが喪失しますので、ビタミンCも積極的に摂取しましょう。
ここで②と③の対策をまとめると、タンパク質、鉄分、ビタミンCに富んだ食事を心掛けることです。より詳しい内容を知りたい方は、管理栄養士と医師が書いた下記の記事もご参照下さい。
ランニングダイエットについて一緒に考えて来ましたが、他のダイエット法と比べてどうなのかについて、「費用/労力」と「効果」の2つの視点で簡単に考えてみましょう。但し、私の私見も入ってきますので、あくまで比較のための一つの目安だとお考え下さい。
下図に同じダイエット効果(横軸)を得るために支払わなければならない費用や労力(縦軸)の概念図を示します。
まず、注目して頂きたいのは、点線で仕切られた左下と右上のグループです。左下のグループは比較的お金をかけず自分ひとりで自宅や家の近所でも出来るのに対し、右上のグループはお金をかけて専門機関に通う必要があります。ランニングを基準として、グループ別に説明して行きます。
項目毎に見て来ましたが、実際にダイエットを行う際は組み合わせで行うとより効果的でしょう。
“食事制限”ד筋トレ”דランニング”の組み合わせがオススメですので、是非試してみて下さいね。
ここまで長文にお付き合い下さり、ありがとうございました。
ランニングしているのに何故痩せられないかのヒントは得られましたか。色々述べましたが、突き詰めれば言いたいことはたったの2つです。
この記事を読んで下さった方が一人でも多くダイエットに成功し、理想的な体型や健康状態を手に入れられることを切に願っています。