体を引き締めるために筋トレや有酸素運動を行っている人は、それぞれの運動がどのくらいの消費カロリーがあるのか?知っておきたいところではないでしょうか。
そこでこの記事では、代表的な筋トレや有酸素運動の消費カロリー。
そして、消費カロリーを高める方法をご紹介します!
目次
消費カロリーを知るためには、まずは1日の消費カロリーの求め方から知る必要があります。
そこで、はじめに消費カロリーを計算する上で必要な項目となる「METs(メッツ)」の紹介と、消費カロリーの計算方法について解説していきます。
「METs(メッツ)」とは、身体活動量の強度(激しさ)の単位で、安静時(横になったり、座って楽にしている状態)を1としたときには、その運動(活動)によって何倍のエネルギーを消費するかを表す単位のことを指します。
歩いたり(少し速めに歩く)、軽い筋トレ、掃除機をかけるなどであれば3〜4METs程度、動物の世話や野球、バスケットボールなどの運動であれば5〜6METs、自転車に乗ったり、ランニング(ジョキング)であれば7〜8METsと言ったように、さまざまな活動の強度が明確に定められています。
次に消費カロリーの具体的な計算方法について紹介します。
消費カロリーの計算式は、「消費カロリー(kcal)=METs(運動強度)×時間(h)×体重(Kg)×1.05」で求めることができます。
以下ではいくつかのスポーツを挙げて消費カロリーを計算しますので参考にしてみてください。なおここでは計算式にならい、「体重は65Kg」、「時間は60分(1時間)」で計算していきます。
7METs×1h×65Kg×1.05=477.8kcal
7.3METs×1h×65Kg×1.05=498.2kcal
5.3METs×1h×65Kg×1.05=361.7kcal
ただ消費カロリーを計算するだけでは意味がありません。
より効果的にエネルギーを消費するためには、目的に合わせて消費カロリーをどの程度燃焼させる必要があるのか知る必要があります。
そこでここでは目的別に消費カロリーに目安についてお伝えします。
脂肪を1Kg(1,000g)落とすには、約7,000kcalを消費する必要があります。
仮に1ヶ月間で1Kgの脂肪を減らすためには、消費カロリーを1日あたり約233kcal(7,000kcal÷30日)消費する、またはエネルギー摂取を抑制することができれば、1Kgの脂肪を落とすことができます。
仮にこれを先程の条件で計算していくと
・サッカー
7METs×0.5h(30分)×65Kg×1.05=239kcal
・ジョギング
7METs×0.5h(30分)×65Kg×1.05=239kcal
・スイミング(平泳)
5.3METs×1h×65Kg×1.05=362kcal
など、この程度の運動を毎日行えば、1ヶ月間で脂肪1Kgの体重を落とすこと出来るのです。
厚生労働省では、健康的に過ごすためには「1日1万歩」の歩数を確保することが理想的と発信しています。
また生活習慣の予防などの効果は、身体活能量の増加に従って上昇するとされています。
長期的観点からみれば、10分程度の歩行を1日に数回行う程度でも、健康上の効果が期待できるようです。
この情報を消費カロリーに当てはめてみましょう。
ゆっくりとした歩行(53m/分)が2.8METs、時間を30分、体重を65Kgで計算すると、これだけでも1日あたり96kcalを消費することができます。
これを他のスポーツに当てはめると、サッカーであれば15分程度(119kcal)、テニスであれば20分程度(114kcal)、スイミング(平泳ぎ)であれば15分程度(90kcal)の運動で消費することができます。
ここからは、筋トレの具体的な種目とともに消費カロリーを見ていきましょう。
結論からお伝えすると、ただ闇雲に筋トレメニューをこなすだけでは効果的にカロリーを消費することはできません。
そこで以下では消費カロリーをお伝えするだけでなく、筋トレの負荷をあげる方法と筋トレのアレンジメニューについても併せてお伝えします。
はじめに腹筋の消費カロリーを計算していきます。
1分間で約30回の腹筋を行うと仮定すると、腹筋のMETsは8.0METsになります。
ここに仮定として「男性」、「20〜29歳」、「体重を65Kg」の人で計算すると1分間の消費カロリーは8.67kcalになります。
これを1回あたりの腹筋に直すと0.29kcalの消費、10分腹筋をし続けると86kcalほどのカロリー消費です。
腹筋を行う際は、以下の方法で負荷をあげることをおすすめします。
・身体を下げる時の速度をゆっくりにする。
・腹式呼吸を行い効果的に脂肪を燃焼させる。
また、腹筋への負荷を高めるアレンジメニューは以下の通りです。
・バイシクルクランチのように左右に捻りを加える
・ジムのマシンを使ってアブドミナルクランチをする
腹筋でダイエットを行う際は、これらの方法を合わせて取り入れましょう!
腕立て伏せのMETsは3.8METsになります。(筋肉にかなり負荷をかけてトレーニングを行えば8.0METsにすることが可能です。)
ここに仮定として「男性」、「20〜29歳」、「体重を65Kg」の人で計算していくと、1分間の消費カロリーは4.32kcalです。
これを30分あたりの腕立て伏せに直すと129.7kcalの消費になります。
腕立て伏せの負荷をあげる方法は以下の通りです。
・鍛えたい部位を意識して正しいフォームで筋トレを行う
・上体を下げる時はゆっくりと行う
・チーティング(体の反動)を行わない
また、腕立て伏せのアレンジメニューは以下の通りです。
・プッシュアップバーを活用して筋肉に強い刺激を与える
・椅子やベンチなどを利用して、足の位置を高くしてトレーニングする(デクラインプッシュアップ)
これらの工夫を取り入れて、腕立て伏せの効果をさらに高めていきましょう!もっと詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
スクワットのMETsは5.0METsです。
「男性」、「20〜29歳」、「体重65Kg」の人で計算すると、30分間の消費カロリーは170.6kcalになります。
これを1分間あたりのスクワットに直すと5.69kcalの消費、10分スクワットをし続けると56.9kcalほどのカロリー消費です。
スクワットの負荷をあげる方法は以下の通りです。
・呼吸を意識する
・股関節から曲げて、太ももと床が平行になるように意識する
・片足を浮かせたままトレーニングを行う(ピストルスクワット)
また、スクワットのアレンジメニューは以下の通りです。
・ノーマルスクワットではなく、バーベルを背負ってスクワットしよう
・ダンベルの負荷をプラスしてトレーニングする(ダンベルスクワット)
スクワットの詳しいやり方は下記をご覧ください!
背筋のMETsは通常のトレーニングであれば3.8METs、かなりハードな筋トレメニューになると8.0METsになります。
「男性」、「20〜29歳」、「体重を65Kg」の人で計算すると、30分間の消費カロリーは129.7kcal、8.0METsで計算すると273kcalになります。
特に広背筋のトレーニングは、ジムなどのマシンを使うとより効果的に鍛えることができますし、通常のトレーニングと比較して2倍ほどのカロリーを消費することができます。
背筋の負荷をあげる方法は以下の通りです。
・上げ下げの動作にメリハリを持たせて背筋に刺激を与える
・肩甲骨を寄せる意識を持ってトレーニングする
背筋のアレンジメニューは以下の通りです。
・自重トレーニングの背筋ではなく、ダンベルを使って背筋をしよう
・バーベルを使ってベントオーバーローイングをしよう
背筋の詳しいやり方は下記もご覧ください!
続いて有酸素運動の消費カロリーの目安を紹介します。
ジョギング30分の消費カロリーは、運動強度7METs×30分×65Kg×1.05=239kcalです。
ジョギングは脂肪燃焼に効果的にアプローチできる代表的な運動です。
その理由としては、ジョギングは脂肪燃焼する上で適度な運動強度であると同時に、エネルギー源となる糖質や脂質を効率的に消費することができるからです。
そのためダイエットや体を引き締めたい時など、無酸素運動だけではなかなか燃焼させることのできない脂肪を燃焼させることに適しています。
ランニング30分の消費カロリーは、運動強度9METs(139m/分)×30分×65Kg×1.05=307kcalです。
ただし、30分のランニングといっても走るペースは人それぞれのため、走るペースによっても消費カロリーも大きく異なってきます。
METsで紹介されているペースだけでも、「107.3m/分(3.2km)」、「134.1m/分(4.0km)」、「139.4m/分(4.2km)」、「160.9m/分(4.8km)」、「179.7m/分(5.4km)」など、総走行距離で見てもかなり細かく分けられています。
そのため30分間の消費カロリーを計算しても204.8kcal(107.3m/分)〜358.3kcal(179.7m/分)とだいぶ開きがあります。
補足ですが、1.6km/30分で歩いた場合、消費カロリーは95.6kcal、早歩き(107m/分)であれば171kcalの消費となるため、いかにランニングが消費カロリーにとって効率の良い運動かがお分かりいただけるかと思います。
ここまでは、運動や活動単位ごとの消費カロリーの説明でしたが、ここからは視野を少し広げて1日に消費するカロリーの全体量を見ていきましょう。
1日の消費カロリーは、「運動消費」と「基礎代謝消費」の2つに分けることができます。
先程紹介したMETsなど、1日に運動や活動する上で、その運動強度によって消費されるカロリーを運動消費といい、一方、体温維持や心臓や呼吸といった、私たちが普段生きていくために必要最低限のエネルギーのことを基礎代謝(消費)と言います。
基礎代謝(消費)は、人が1日に消費するエネルギー量のうち、約60〜70%(運動消費は約20〜30%程度)を占めています。
その内最もエネルギー消費が多いのは筋肉です。
筋トレは運動消費に分類されますが、筋トレによって筋肉がつくことで、基礎代謝の消費量が上がるため、両者は密接に関係しています。
そのため、いかに筋トレを効率的に行うかによって、運動消費の精度だけでなく、基礎代謝の向上にも結びつけることができます。
カロリー消費には、筋トレのあとにもたらさせる「アフターバーン効果」と言うものがあります。
アフターバーン効果とは、「EPOC(Excess Post-exercise OxygenConsumption)とも呼ばれ、筋トレなど激しい運動をしたあとに、通常よりも酸素の摂取量が増加することで、エネルギー産生が続く状態のことを言います。
この状態の時、エネルギー源として脂肪が優先的に燃焼されるため、運動中だけでなく、休憩中や就寝時にも脂肪が燃焼することがわかっています。
そのため運動強度の高いトレーニングを行うことで、運動後継続してアウトバーン効果を得られることができます。
ここからは、実際にトレーニングをしている方向けに、消費カロリーを効果的に高めていくコツについて紹介します。
ただ筋トレを続けるのではなく、コツを知ってより効率的に体を引き締めていきましょう。
準備運動と聞くと、体を痛めたり、怪我することへの予防として行う人が多いかもしれません。
ただし、筋トレをする前に準備運動を取り入れることで、体の可動域が広がり、筋トレ時に使える筋肉を増やすことができます。
その結果、筋トレによって消費するカロリーを高めることができるのです。
準備運動には、体を痛めたり、怪我の予防だけでなく、筋肉の血流を促進させて筋肉温度を高めたり、酸素消費量の上昇や神経機能の強化など、体の部位の働きを活発にする効果があります。
そのため、単なる筋トレ前の準備運動ではなく、ウォームアップした状態を作り出し、トレーニングのパフォーマンスを向上させてくれる効果をもたらします。
サーキットトレーニングとは、筋肉を大きく使うトレーニングと、短いインターバルを交互に行うことで、心拍数を適度に保ったまま継続的に行う筋トレ(無酸素運動)と有酸素運動を組み合わせたトレーニングになります。
サーキットトレーニングは、1セットあたりに複数の種目を取り入れて、それらを組み合わせて行います。
例えばサーキットトレーニングに取り入れたい筋トレメニューは下記の通りです。
これらのトレーニングを組み合わせて行うことで、消費カロリーもそれに応じて高めることができるため、単体で筋トレを行うより相乗効果を見込むことができます。
HIITトレーニングとは、「High-Intensity Interval Training」の略語で、高強度の負荷のかかる運動と休息を交互に短い間隔で行い、トレーニング全体の強度を高めたインターバルトレーニングのことを言います。
HIITトレーニングに使用させる筋トレメニューは次の通りです。
具体的にはお伝えすると以下のような組み合わせがあります。
このように短期間でトレーニングを行うことで、効果的にカロリーを消費することができます。
最後にHIITトレーニングを活用した短時間で高消費カロリーが見込めるフィットネスシムを紹介します。
PLAYROUNDとは、アメリカ・ニューヨークで話題のトレーニングで「FUNCTIONAL TRAINING」と「HIIT」を組み合わせたプログラムを提供しています。
具体的なトレーニングメニューは、レベルに応じて細分化されたプログラムによって、20種類の最新トレーニングマシンを使用しながら、45分間トレーニングを行っていきます。
消費カロリーとしては、先ほど紹介したアフターバーン効果を含めて、最大4,200kcalを消費することができるため、かなり効果的にカロリーを消費することができるためおすすめのトレーニングジムです。
B-Monsterとは、「暗闇フィットネス」と言われ、暗闇の中大音量の音楽とともに、思いっきり身体を動かしていく格闘系フィットネスです。
経験豊富なパフォーマーによる独自プログラムやテクノロジーによって、部分的なトレーニングはもちろん、全身の引き締め効果、ダイエット効果には最適です。
B-Monsterにはインターバルトレーニングの要素も含まれているため、PLAYROUND同様アフターバーン効果を狙えることができます。
約800〜1,000kcalといった高いレベルでの消費カロリーを目指すことができます。
今回は消費カロリーの計算方法をはじめ、各筋トレメニューの目安となる消費カロリー、消費カロリーを高めるコツなど、消費カロリーに関する内容についてお伝えしてきました。
ただ闇雲にトレーニングするだけではなく、消費カロリーにフォーカスしてトレーニングするのであれば、準備運動や運動強度の高いメニューを取り入れるのもおすすめです。
一人で消費カロリーを見込むのが難しい場合は、効果の高いフィットネスジムを活用して確実にカロリーを消費していきましょう。