スクワットは下半身の筋肉を強化するためのトレーニングであり、腹筋には効果的ではないと考える人も多いのではないでしょうか。
しかし、スクワットは非常に強度の高いトレーニングであり、腹筋にもアプローチできることが特徴です。
そこでこの記事では、スクワットで得られる効果や鍛えられる筋肉の種類、負荷が大きくなる効果的なスクワットのやり方について詳しく解説します。
パーソナルトレーナー斎藤 裕香
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元ライザップのトレーナーであり、現在は表参道 plat-gym所属のパーソナルトレーナー。自身の経験を元に、男女問わずしっかり食べて生涯リバウンドしない、健康的な体をサポートしている。 |
目次
腹筋を割るうえで、スクワットはどのような役割を果たすのでしょうか。また、どの程度効果的なのでしょうか?
まずはスクワットと腹筋の関係を解説します!
そもそも腹筋を割るためには、腹筋の筋肉を肥大させることと体脂肪を落とすことの2点が重要です。
この2点において、腹筋のトレーニングは腹筋の肥大には効果的ですが、脂肪を落とすうえでは腹筋トレーニングよりもスクワットの方が有効だといえます。
その理由は、スクワットの方が消費カロリーが大きく、より多くの筋肉を1度に刺激できるからです(関連記事:スクワットダイエット)。
そこで、腹筋トレーニングよりもスクワットの方が何倍消費カロリーが大きいのかをチェックしておきましょう。
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運動を行うことによる効果・強度を表す基準として、METs(メッツ)と呼ばれる指標が定められています。
METsは「Metabolic equivalents」の略称であり、平常時を「1」とした場合、平常時と比較して消費するエネルギー量が何倍であるかを算出し、運動の強度を「METs」単位で表したものです。
METsでは、腹筋運動が「3.8METs」、スクワットは「5.0METs」であり、スクワットの方がエネルギー消費量が多いことが分かります。
腹筋を行うことでアプローチできる筋肉も沢山ありますが、より効率良くエネルギーを消費したい、強度の高い運動をしたいという場合には、スクワットをした方が効率的だといえるでしょう。
スクワットで鍛えられる主な筋肉は、お尻の部分にある「大臀筋」と、太ももの前側である「大腿四頭筋」、太ももの裏に位置する「ハムストリングス」などが挙げられます。
さらに、ふくらはぎにある「腓腹筋」「ヒラメ筋」、背中にある「脊柱起立筋」も鍛えられるトレーニングです。
スクワットで鍛えられる主な筋肉がある位置と筋肉の大きさ、どのような動きをする際に使われる筋肉なのかについて解説します。
大臀筋とは、お尻の後ろに存在する筋肉であり、大腿四頭筋と比較すると厚みがあり短いことが特徴です。
そのため、鍛えることでヒップアップ効果が期待できます。
大臀筋は、膝を外側に向ける動作と脚を後ろに伸ばす動きに使う筋肉であるため、後ろに脚を上げる動きをすることで大臀筋をトレーニングすることが可能です。
大腿四頭筋とは、太ももの前に位置する筋肉であり、身体のなかでも最も大きい筋肉です。
大腿直筋、外側広筋、内側広筋、中間広筋と呼ばれる4種類の筋肉から成っており、膝を伸ばす際に使われます。
走る、歩くといった基本の動きから、階段の昇り降りや椅子に座る、立つといった日常的な動きに重要な筋肉だといえるでしょう。
ハムストリングスは、太ももの裏に位置する筋肉であり、大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋と3種類の筋肉の総称です。
3つの筋肉の総称であるため範囲は広く、膝を曲げたり、股関節を動かしたりする際に使われます。
ふくらはぎにある筋肉は、腓腹筋とヒラメ筋の2種類を指します。
腓腹筋とヒラメ筋は、共に関節を曲げ伸ばしする動きを支えている筋肉です。また、腓腹筋は二関節筋とも呼ばれており、脚と膝の両方の関節の動きに関わっています。
短距離走やジャンプで使われ、バレーボールやバスケットボールといったスポーツをする人は鍛えておくべき筋肉だといえるでしょう。
脊柱起立筋とは、脊柱から順に棘筋、最長筋、腸肋筋と3種類の筋肉を指します。
それぞれ異なる筋肉ですが同様の役割を果たしており、1つの筋肉のように使われることから、脊柱起立筋と称されていることが特徴です。
主に、座ったり立ったりした状態で上半身の姿勢を維持する、上半身を伸ばす、反るといった動作に使います。デスクワークをしていて背中が痛い時は、脊柱起立筋が衰えていたり疲れていたりするサインです。
スクワットは腹筋を割ったり、ダイエットに効果的であったりとメリットの多い運動です。
ただし、間違ったフォームで取り組むと効果が半減するため、下記の正しい方法で行いましょう。
<参考動画「正しいスクワット」のやり方>
トレーナーの斎藤裕香が正しいスクワットのやり方を解説しています。
スクワットには様々な種類があります。
そこでここからは、少ない回数でも十分な効果を得やすい、特に負荷が大きい種類のスクワットを7つ紹介します。
通常のノーマルスクワットにジャンプを加えることによって、下半身に負荷をかけて効率的に鍛えられるスクワットです。
ジャンプを取り入れたスクワットは腹筋にも力を入れるため、腹筋と大腿四頭筋へ同時にアプローチできることがメリットです。
1~4の流れを10回行い、30秒休憩して2セット行いましょう。
<参考動画「ジャンピングスクワット」のやり方>
トレーナーの斎藤裕香がジャンピングスクワットのやり方を解説しています。
ジャンピングスクワットは10回1セット、1日3セットを目安に行います。負荷が高いスクワットである分、腓腹筋やヒラメ筋へのアプローチに効果的です。
片脚をベンチに乗せて行う方法であり、脚に負荷をかけて引き締めるスクワットです。
大臀筋や大腿四頭筋に効果的なため、ヒップアップや太もものダイエットをしたい人に適しています。
1~4の流れを10回行い、30秒休憩して2セット行いましょう。シングルレッグスクワットは、左右それぞれ20回ずつ、1日3セットが目安です。
トレーニングの効果を実感するためにも、30秒間の休憩をはさんで行うことを忘れないようにしましょう。
シングルレッグスクワットをする際に重要なポイントは、椅子やベンチに乗せている脚に力を入れないことです。
力を入れてスクワットをするとバランスが悪くなり、アプローチしたい筋肉へ刺激が伝わらないため注意しましょう。
通常のスクワットは、太ももの前部分にアプローチするケースが多いです。
しかし、シシー・スクワットは太ももの裏の筋肉を引き締めたい場合に有効な方法だといえます。
1~4の流れを20回行い、30秒休憩して2セット行いましょう。
<参考動画「シシー・スクワット」のやり方>
トレーナーの斎藤裕香がシシー・スクワットのやり方を解説しています。
日頃使用しない筋肉にアプローチするため、スクワットをする前にストレッチをして怪我の予防を行うことも大切です。
シシー・スクワットをする際のポイントは、大腿四頭筋と背中に意識を集中することであり、意識して行うことで効率良く筋肥大を促せるでしょう。
ピストルスクワットは支えになる台やテーブルなどを使用せず、片脚は浮いた状態で行うスクワットです。
難易度は高いものの、負荷が大きいので効率良く筋肉を鍛えられます。ただし、負荷が大きい分、正しい方法で行わなければ怪我をする可能性が高いので注意が必要です。
1~4の流れを10回行い、30秒休憩して2セット行いましょう。
<参考動画「ピストルスクワット」のやり方>
トレーナーの斎藤裕香がピストルスクワットのやり方を解説しています。
ピストルスクワットに慣れるまでは10回行うのではなく、5回程度であっても正しいフォームで行うことが大切です。
スクワットをする際には大腿四頭筋を意識します。また、負荷が高いためストレッチをしてから行うことも忘れないようにしましょう。
ノーマルスクワットでは物足りない人に最適なスクワットの種類であり、身体をしっかり落とすことが特徴です。
大腿四頭筋と大臀筋へ効率良くアプローチできますよ。
1~4の流れを20回行い、30秒休憩してから2セット行いましょう。
<参考動画「スプリットスタンススクワット」のやり方>
トレーナーの斎藤裕香がスプリットスタンススクワットのやり方を解説しています。
スプリットスクワットをする際には膝を正面に向け、内側や外側へ向けないようにすることが大切です。
また、両足の間隔を広くすると、よりしっかりと筋肉へアプローチできます。
ノーマルスクワットにダンベルで負荷を加えたトレーニング方法であり、フォームそのものはノーマルスクワットと変わりません。
しかし、ダンベルを持つことで筋肉に負荷がかかるため、効率良く筋肉を引き締めることにつながります。
また、バランスが崩れやすいので、初心者は正しい姿勢を維持できているかを確認しながら行うことも大切です。
1~4の流れを20回行い、1分半休憩して2セット行いましょう。ただし、初心者は無理をしないよう、10~15回1セットとして行う方法も有効です。
<参考動画「ダンベルスクワット」のやり方>
トレーナーの斎藤裕香がダンベルスクワットのやり方を解説しています。
ダンベルスクワットをする際のポイントは、ダンベルに体を持って行かれないようにすることです。無理にダンベルを持とうとすると体幹がずれてフォームが崩れるため注意しましょう。
ダンベルスクワットと同じく、重さを加えることで効率良く筋肉を鍛えるためのスクワットです。
背中の筋肉にアプローチでき、体幹を鍛えることにもつながります。
1~4の流れを20回行い、3分休憩して2セット行いましょう。
<参考動画「バーベルフロントスクワット」のやり方>
トレーナーの斎藤裕香がバーベルフロントスクワットのやり方を解説しています。
最も負荷が大きなスクワットであり、引き締め効果以上に、体脂肪を減らしたい、体幹を強化したい、筋肉量を増やしたいという人に適しています。
自分の欲しい効果に合わせてスクワットの種類を選びましょう。
スクワットで多くの筋肉を使い、カロリーを消費するという以外にも得られる効果は沢山あります。
そこで、特に注目したいスクワットの効果について見ていきましょう。
スクワットは腰の筋肉を鍛えると姿勢が安定するため、骨盤の筋肉できるだけではなく体幹を鍛える際にも効果的です。
体幹を鍛えることで姿勢が矯正され、猫背を直すことにもつながります。
また、スクワットの基本ポジションは胸を張って姿勢を正すため、毎日スクワットをすると自然と姿勢が良くなり、より効率的に体幹を鍛えられるでしょう。
スクワットをすると、太ももの後ろにある3つの筋肉であるハムストリングを鍛えられます。
しゃがむ、立ち上がるといった動作に使われる部位で、スクワットをする際には大殿筋や中殿筋とともに動きをサポートすることが特徴です。
ハムストリングを強化することで太ももとヒップラインを引き締め、脚を長く見せる効果も期待できます。
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スクワットで下半身のトレーニングをしたら、全身を効率良く鍛えられる腹筋ローラーに挑戦する方法が有効です。
腹筋ローラーは腹筋、背筋など多くの筋肉を鍛えられるため、スクワットに慣れてからチャレンジすると良いでしょう。
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スクワットをすることで筋肉を引き締め、代謝を促進する効果が期待できます。
また、脂肪を落とすという意味では、食事を低カロリー高タンパクに変える、プロテインやHMBのサプリメントを使うことも効果的です。
いずれの方法もすぐに効果が現れるものではありません。そのため、無理をせずに継続して行いましょう。
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この記事では腹筋とスクワット、どちらがダイエットに効果的か?ということや、おすすめのスクワットの種類をご紹介しました。
スクワットは腹筋を鍛える上で、強い負荷をかけられる効果的な種目です。ぜひチャレンジしてみてくださいね!